著作権ビジネスの問題と現状

Twitter上でカシオペアのスーパーキーボーディスト、向谷実さんをfollow中。昨晩はおもしろい流れになったのである。

内容ずれますがJASRACは包括契約で著作権はクリアだけど隣接権は結局削除依頼を歌手や原盤会社が出さない限りスルーなのかね RT @japanees そんな時はあの国鉄時代に戻してくれる歌を聴きませう。http://bit.ly/cH1Zgz

Minorumukaiya

こんな会話からはじまった「著作権」と「アーティスト」の話。そう、どうしたってYoutubeやUSTREAMではお金が取れない。これは職業ミュージシャンにとって大変な問題だ。みんなに音楽を提供したものの、無料だから人が集まるだけってのは困る。意外と儲からないんですよ、音楽って。

で、例えば、システムとして動画の右上くらいに“Donate”、つまり「寄付」のボタンがついてPayPal辺りで振込みなどできれば、いささかよくなりそうだが、もちろん今はまだない訳。さて、そんな折……

@MinoruMukaiya 向谷さんのような人たちは根本的に著作権を誤解しているように思います。気持ちや苦労は関係ありません。10年かけようが、3分で作ろうが、著作物は高度な創作表現であればいい。だからどんなに汗水垂らそうとも地図や電話帳には著作権が認められないのです。

なんとも、ただのやっかみとしか思えないツイートだが、そもそも著作権法を知らないのだろうか。著作権は知的財産だ。創造物に対して対価が支払われる訳で、人の電話番号並べただけなら誰にでもできるだろう。これは脳みそ使ってないし、第一誰にでもできる行為であって、汗水垂らしたものだとは到底思えないがどうだろうね? それに、地図や一部の電話帳、例えば「職業別タウンページ」みたいな知恵をしぼったものに対しては編集著作権がしっかり認められている。

さらに言うなら、3分で作ったような曲がオリコンチャート上位を占めて、10万枚も行かないうちに消えていってしまってるわ、音楽や演奏の魅力は地位に落とすわ、で散々ではないか。

大きな誤解があるようですね。ぜひ私の関連するアーカイブをご覧ください。ライブでは自分の曲のみを、生中継ではその場で創作をし、見守っていただいた多くのビューワーの皆さんに証人になってもらい、非営利の私的利用には現段階で無償にしています。続く、、 RT @SuzukiMuneo

続きの失礼お許しください。自己使用、その場で作曲で非登録という行為でさらにその場で実演ということでUSTでダダ漏れしても現状問題ないということを実現しています。逆に禍こんなに窮屈なんですよ、って問題提起もしているつもりです。さらに続く RT @SuzukiMuneo

制作者、権利者側からもさらにいい方向にけるようなことをしているつもりですが、先ほどのような既得権益に縛られている守旧派のような言われ方は大変失礼ですが承服できません。さらに著作権よりも著作隣接権の問題をお話していたわけで論点がずれています。 RT @SuzukiMuneo

Minorumukaiya

そもそも、「著作権」ってなんなの?ってところを。著作権っていうのは知的財産権の一種で、「思い」とか「伝えたいこと」とかを込めた創作物の利用による収入を主張できる権利。これは、創作した瞬間に自動的に発生するものとされる。

とはいえこれで収益をあげるためには広く流布する必要がある。例えば、自分の曲が“CD”になったりラジオ・TVで“放送”されたり。はたまたレンタルCD屋で“借りられる”ようになったり、ホールで“演奏”したりする。つまり、たくさんの人の協力を得て活動を行うわけだ。このために著作者隣接権というものが存在する。つまり、アーティストはCDレーベルや放送局、ライヴハウスやホールなどと密接に絡み合っており、ギブアンドテイク、つまりお互いが切っても切り離せない存在な訳。

ところが、Webが一般に浸透してからというもの、これらの信頼関係が崩れようとしているわけだ。

だから今の誰が決めたか知らない事後承諾、文句あるなら削除依頼してといったモデルは正直ほとんどのアーティストはついていけないと思います。だからよりよい方向を考えようと毎週のように実験しているのです RT @japanees アーティストの方の窮屈感は解りますね、なんでこうなのか。

このツイートは、要するに著作者人格権の面が絡んでくるわけだけど、包括契約がひとつの要因な気もする。また、今のラジオ局やレコード会社のスピードがそうさせてしまった部分もなきにしもあらず。

というのも、JASRACは法的機関と言っても過言じゃなく、紙によるやりとりのため全てにおいて時間がかかる。「今日発売のヒット曲」なんてJ-widで調べたら出てこないから申請のしようすらないことも。だけど申請は必要、でもラジオ局は今すぐ新曲を流したい、レコード会社やアーティスト所属事務所だって今すぐ新曲を流して欲しい。そこで、双方合意のうえで、JASRACへ提出する紙の申請を後回しにしてでもサクサクッとやっちゃう訳だ。この場合、著作権に関するやりとりが、JASRACを介することで遅れが出ている状態。

これとは逆に、ラジオ局としても包括契約の中でやれちゃうから、番組の編成がサクサクッと決まるわけで。変にアーティストに申請する必要もない訳ですよ、JASRAC通しちゃえば。つまり、どんな特集組むにも圧倒的に“楽”。だから、包括契約なんですな。

これに対し、ウェブの時流はさらに速いッ。ここでのアップロード、特にYoutubeなんかは、貴重な映像がたくさん出回ってるけど、そのほとんどが著作権者に一言も断られてない状態。しかもアップロードは垢の他人で、Youtubeやらアップロードされた側が包括契約で責任をとらなきゃならない事態。さらにこれに対して利益の分配を訴えるレコード会社や事務所、と。これはいかんなー。

そもそも出版物のように長年「本」という形で販売されてきたものはデジタルへと形を変えて人の手に渡ることはなかったからこれまで生き残った。とはいえ、今は散々な状況で……まあ、これに関してはひとえにこうなるまでほったらかした版元と最悪の2大商社、トーハン、日販が悪いんだけど。変革の時と言うべきか。

話が逸れたが、音楽はレコードからCDへと変わり、90年代中盤までをピークに2000年代初頭には衰退しはじめる。CDがかんたんにコピーできるようになってからというもの、CDの売上は下がる一方。あまりにも早く成熟し、あまりにも早く崩壊しようとしているが、僕自身は実はあんまり悲観的ではなくて。むしろ、チャンスが開けてきている、これからおもしろい時代になろうとしている、そう思ってるんですね。音楽CDというものが売れないのだったら、オマケで服や歯磨きにつけるくらいのことを考えなきゃならないのかもしれない。ジュースを買ったら~とか、映画を見たら~とか、ジレットの髭剃りみたいな売り方が必要なのかもしれない。はたまた、価格を下げて出荷枚数を増やすことで利益を生み出す手法があるかもしれないし。

向谷さんとは面識がある訳ではないのだけど……個人的には応援したいし、これからも見てたいなあ、行く末を。なにしろ、日本にもっと「著作権」を広めて欲しいです。楽しみにしています。

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  1. […] This post was mentioned on Twitter by ふみへん。. ふみへん。 said: ブログ更新: : 著作権ビジネスの問題と現状 http://fumihen.info/?p=560 […]

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