音楽教室で演奏したらお金がかかる

最近、善悪の区別がよくわからなくなってます。音楽ビジネスの世界では切っても切れないJASRACの記事が発端なんですが。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170203-00005653-bengocom-soci

音楽好きの友人が多いのでみんながどう思っているのかわからないんですが、反感買ったらごめんなさい。音楽教室ビジネスにも関わりがあったので、ちょっといろいろ複雑な思いです。この問題って、実は今に始まったことではない、というのが自分の認識。もうちょっと言うと、自分的には(ついにきたか)という感じなんですよね。

JASRAC登場の契機

JASRACって団体が登場したのは『プラーゲ旋風』と呼ばれる、1年間に渡って日本から洋楽が消えた事件が発端です。ドイツの音楽著作権管理団体の代表として日本に乗り込んできたプラーゲってヤツがいて、こいつがNHKに法外な金額をふっかけてきたんですね。こんなことが2度と発生しないように著作権管理をやろうね、っていう目的で生まれたのがJASRACで、別に怪しい営利団体とかではないんです。
“あと乗せ税収”って声が出ているみたいですけども、そもそも『売れるもの』ってなんなのかが誰にもわからないなかで、著作権というシビアな法律に対して利用のされかたと徴収方法ならびにその金額を決めるというのは、並大抵のものじゃないと思ってるんですよ。

あと乗せサクサクの貸与権

例えば、日本では1980年に『貸しレコード屋』が登場して以来、レンタルって概念が生まれたんですが、当時の著作隣接権にはレンタルに付随する権利がなかったんで、貸しレコードの収益金からどうやって楽曲信託の支払いをするのかが話し合われたんですね。結果、4年後の1984年に法整備されたうえで貸与権が生まれました。

※貸与って、当時の著作権法上は認められていなかったんです。しかも、海外の著作権管理団体は貸与権を認めていません。なんと、2017年現在も認められていないのです! すなわち、海外にレンタルCD店は存在しない! ってなわけで、下手したら重罪人扱いだったところ、立派なマネタイズのひとつとして法的に認められた、という一例です。

悪意を感じるメディアの扇動

発表されたネタがセンセーショナルすぎたが故に、抱き合わせで、しかもこんなタイミングでこんな記事まで登場する始末。

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6229109

ブログサービス提供してる会社はどこの企業も包括料契約で対処してるネタで、サービス主体者としては半ば常識的に扱われてる内容なんですけどもね。この記事の見出しの書きっぷりときたら、「JASRACは悪徳団体だ」としか読めない。個人としては、記者のいたずらな見出しに扇動の危険を感じさせられて残念な思いです。こういう記事に感化されて発言する人たちに罪はない。みんな、それぞれの『正義』で動いてるんですしね。

ややこしいのは、人気のアーティストや作家さんが「やりすぎ」「音楽文化を破壊」というコメント。でも、声を発してるのは、音楽著作権ビジネスの恩恵で充分に潤った、言わば『余裕』のある人たちだけじゃないですか。そんなに言うなら信託取り下げてフリー化してくれたらいいんだ(乱暴すぎる?)。思いや言論の自由はありますけれども、こういうときは静観するのがオトナってもんでは?とも思います(それはオレもか)。

終わりに

例えば文科省は芸術に関する教育をどう考えているんだろうな。プライオリティが低いのはカリキュラムからうかがい知れるものの、音楽や絵画が思考やメンタルに良い影響を与えることも医学的に証明されている事実。こうなったら、PMSを国が買えばいいんだ(相変わらずぶっ飛んだ思考だな、オレw)。

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