大問題と化した宮崎の口蹄疫問題。1頭の牛からはじまった疫病は、やがて集団に広まり、宮崎の畜産業を暗黒の闇に飲み込んだ。
●口蹄疫とは?
口蹄疫は牛や豚など家畜だけの間で伝染する。皮膚はただれ、擦れたところ――例えばヒヅメ、例えば唇から血が出る。痛みを伴うため食事量が激減、生産性が大幅に落ちる。幼獣の場合、そのほとんどが死に至る。恐ろしい家畜伝染病だ。例えば、感染・発症した食肉を食べることは問題ないし、人には感染しない。ただし、人を媒介として拡散することがわかっている。古くから存在する家畜疫病で、現在では「感染の拡大を食い止めるため」に全数殺処分とすることが法律で定められている。しかし、感染のスピードは凄まじく、宮崎県が大切に育ててきた種牛にまで被害が拡大したのだった。これがどういうことなのか?
●宮崎の畜産の貢献度
例えば、一大ブランド「松坂牛」の3割は、宮崎牛だ。宮崎で生まれた子牛を松坂牛として三重で育てているのだ。また、黒豚や地鶏など宮崎ブランドの精肉は日本の食卓を支えていると言っても過言ではないほどの出荷率を誇る。その出荷率は、宮崎県の農業産出額において約6割を占める。
宮崎県は、国内屈指の黒毛和種の生産地で、約24万頭(平成20年2月1日現在)が飼養され、全国で飼養される黒毛和種の約14%を占めている。また、銘柄牛で有名な全国の産地にも、多くの肥育用素牛(子牛)を供給している(独立行政法人 農畜産業振興機構より)。http://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2009/mar/yusyutsu.htm
●口蹄疫問題は、いつ解決するのか
口蹄疫が果して落ち着いたとして何が待っているのだろうか? 実は、2月には口蹄疫と思しき症状が発見されていた。しかし診察に当たった共済の獣医師はそれを見逃してしまう。畜産の獣医は、一日になん軒もの牛舎をまわる。そうこうしているうちに口蹄疫が拡散し、全国規模のニュースになった頃、この獣医師は自殺してしまった。
●ボクらにできること
幼獣は致死、成獣は痩せ衰え、食肉量も減る。ブランド牛を産むことのできる種牛たちは、その生産性すら落ちる。その先に待つのは「無」という絶望だ。何十年という時間をかけて作りあげてきたものが一瞬にして崩壊することの恐怖。大切に育ててきた牛たちを殺処分すること、何日もかかる夜を徹しての作業、誰も悪くないのに次自戒の意識に苛まれるマスコミ報道……そのためにするべきこと、僕らができることは、畜産家のみなさんへの安心を届ける――なにより、まず口蹄疫を根絶すること。ゼロからの再構築を手助けすること。そのためには、みなさんの暖かい気持ちが必要です。
こちらのクリックでその第一歩が拓けます。
※もちろん、ボクも署名しています。ぜひ、1人でも多くの方に……
コメント