ギブソンギター社の功罪

ギブソンギター社の密輸が発覚した。ハカランダと呼ばれる、輸入禁止木材を不正に輸入したとされる。テネシー州警察だけでなく政府直下の捜査員が介入しており、国際的な環境犯罪として立件された模様。

稀少木材として人気の高いこの木材、ギターやってる人なら皆知っているくらい有名な木材で、そのプレミアム性は高い。この木材を使えばかんたんに単価があげられるわけだ。

近年ではユダヤ商人として成功した人物が社長になったという話だった。売上は格段に伸び、ギブソンはブランド認知度も上げた。しかし、この2,3年で国内代理店の変更が会い次ぐ。「あれっ? 前にお願いできたことができない」。勝手すら変わってしまい、企業としても疑念を抱いていた矢先だ。

供給過多になっても生産し続ける姿勢は、日本の産業に多く見受けられるパターンではあるが疑問。確かに利益追求においては、売上単価を上げることもそうだが、製造数を増やす方が早い。安ければ皆が買ってくれるからだ。

しかし、それによってたくさんのペットたちが「売れ残り」のレッテルを貼られて処分されてしまっている。食物だって、自給率が低いと言われるものの、廃棄の量もまだまだ多い。平均単価2万円前後のギターにおいて、どうしてブランド認知度も高く、高額でも売れているギブソンギターに更なる付加価値を求めたのか? なぜハカランダ仕様ギターを量産しようとしたのか?

企業として社会活動すると言うことは、成長することとイコールである。コスト削減が声高に叫ばれる昨今、その変更は妥当なものだろうか? 安いからAをBに変更する、なんてことはよくある話ではあるが、いま一度考えてみて欲しい。お金は確かに大事で、モチベーションにつながる部分もあるとは思う。だが、企業の成長はそれだけではない。成功する喜びを分かち合うこと、一丸となって一つの目標に突き進むことこそが醍醐味なのだ。つまりSell ではなくMarcketing なのである。

ギブソンには最低でも50万ドルの罰則金が科せられる。社長の交代劇だけで話が済めば良いが。

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